ストレスに弱い夫・ストレスに強い妻

ストレス社会といわれているこの現代、ストレスに強いか弱いかによって、ずいぶん生きやすさが変わってくると思う。

うちの夫はストレスに非常に弱い繊細なかわいい生き物で、「僕のメンタルはくそザコナメクジだ」と自負している。平日は仕事のストレスでおなかを壊し、休みの日は起きる時間がずれると便秘になり、心が落ち込むと頭が痛くなったりと、体調に異変をきたす。少しのことで心をかき乱され、気にしなくていいようなことをいつまでも引きずり、すぐ自分を責めるセルフマゾプレイヤーである。

たいして私はストレスに強く、悩んでうじうじすることやメンタルが不安定になることがほとんどない。主観や感情でものを見るタイプでなく、俯瞰して物事を見るタイプだ。夫のように共感性が高くなくいので、人の痛みを「わかるわかる！うんうん、ツラいよね」と思うことができない。「なんでそんなことでそんなに悩むのか？命を取られるわけでもあるまいし」とか思ってしまう。

どちらが良い悪いの話ではなく、持って生まれた特性の違いなのだと思う。

夫は感情の振れ幅が大きく、喜ぶ時も全身で喜びを表現する。楽しいことや好きなことへの熱量も非常に大きい。素直で裏表がなく、子供のように笑ったり泣いたり怒ったり歌ったり踊ったりしている。なんていうか大きな犬のようで見ていて面白いなと思うし、言葉に嘘も駆け引きも含みもないので一緒にいて非常にラクだ。

夫のような繊細さんは、感受性が豊かゆえにいろんなことにストレスを受けやすいのであろう。だからこそ楽しいことや美しいものも私の何倍にも感じ、いろんなものがキラキラして見えているのかもしれない・・・と思うと、とても羨ましい。子供時代ですら私は夫のように無邪気でなかった気がするし、誰かの熱狂的なファンにもなったことがない。

ただ、些細なことで悩んでストレスを受け、人の一挙一動で心が乱されるのは大変だろうな・・・とも思う。小さなミスや失敗でいちいちダメージ受けていたら身も心ももたないし、人に言われたイヤな言葉や態度がいつまでも尾を引くのはしんどかろう。

毎日何らかのストレスにさらされ「うわぁあああああああ・・・」と叫んでいる夫を見ると、メンタルの豆腐具合に笑ってしまうけど、とても人間らしいなと微笑ましくも思う。

私たち夫婦は似てないもの夫婦なので、お互い共感して理解し合える関係ではないけれど、だからこそ補い合えてうまくいっているのだろうなと思っている。